認知症予防に対する学習と実際行ったこと

認知症予防に対する学習と実際行ったこと

数年前から起きた異変

祖母の様子がおかしいと、家族が気付き始めたのは80歳を少し過ぎた辺りからでした。きっかけは、入院中に物をとるために手を伸ばし、転落して膝のお皿を割ってしまい、そこから引きこもりになったことが原因です。幸い怪我はすぐ治り、歩けるようにもなったのですが、怪我のショックが大きかったのか、その日を境に外へ出るのを嫌がりました。祖母は買い物など外へ出るのが大好きな人。外の刺激が受けられなくなり、家にこもるようになった祖母は、私たちが遊びにいくと毎回きまって同じ事を質問してきます。私はまだそこ時は結婚したばかりで子供がいないのに、いつも親戚の兄と勘違いして私がいくと子供はどこ、今日はつれてきていないのと言います。

私は毎回、あれはお兄ちゃんの子供だよといい、そのときは理解しますが、またすぐに忘れます。さらに定年した自分の息子に対しても、仕事のことを毎日聞いてきます。新しいことをは全く覚えられなくなったのです。その場では理解をするし、人の名前は忘れていないのが唯一の救いでした。更に一緒に住んでいたおじさんが介護をしていたのですが、どうやら鬱になったとのことでした。祖母はずっとショックを引きずり、以前よりも会話も少なくなり、部屋にこもって長い時間眠っていたり、大好きなお菓子も余り手をつけず水分もとらなくなり、再び入院をしました。やはり入院中も私に対して子供はつれてきていないのか、おじさんには仕事帰りかいなど同じ事をいいました。

やはり、昔のことはとても鮮明に覚えており、そのときはとても楽しそうに話します。そして、更に起こった異変は、昼夜逆転した生活になってしまったことです。昼間はずっと眠りっぱなしで、夜に活動的になってしまいました。入院中も徘徊しており、何度も何度も看護婦さんから昼間は起きて夜は寝ましょうと、昼間に巡回に来る度に祖母を起こしに来てくれていましたが、全く効果がありませんでした。昼夜逆転した生活になったので、当然運ばれた食事も食べません。栄養失調となり、点滴もはじまりました。これではいくら退院できたとしても、昼夜逆転した生活をされては、私たちが体を壊してしまいます。

リハビリなども行っていますが、祖母自身がどこか拒否をした姿勢をとっており、全くやる気を見せません。祖父は毎日のように祖母のお見舞いにきては、刺激になるような会話を持ちかけていますが、知らない分からないの一点張りです。すっかり困り果てた私たちですが、何とかして退院後も規則正しい生活をおくれて、食事もたべて会話がなりたち、毎日を楽しく過ごしてもらうことは出来ないのか考えました。インターネットでたくさん検索し、認知症の人に対しての接し方や予防方法についての学習を母と共に行いました。そして、セミナーにも参加をして少しでも今後役に立てばとおもい、勉強をしました。家に帰ってから早速、母と共に作戦を色々と考えて、一緒にくらすおじさんにも協力してもらい、家族総出で祖母のために尽くすことにきめました。

 

私たちが行ってきたこと

まず1つ目の問題は、何としてでも祖母を外に出すことです。外に出れば様々な刺激をうけるので、脳が活性化されるからです。そこで考えたのはデイサービスです。ここでは、たくさんのお年寄りが歌や物を作って楽しく過ごしたり、入浴介護もしてくれます。預けっぱなしの施設ではなく、その日に帰ってこれるので遊びにいくような感覚で行ってほしいと思いました。そこて、祖父を説得したところ、二人で行けば祖母もいくかなと思って、祖母に話を持ちかけます。ずっと入りっぱなしで見捨てられたと思った祖母はとても嫌がりました。祖父はただ遊びにいくだけだから、一緒にいこうと誘いました。3ヶ月粘り、ようやく二人でデイサービスへ出掛けました。

次に行うのは子供用の算数ドリルや塗り絵、クイズなどです。これも頭や指先を使うので刺激になります。とにかく認知症予防には刺激が必要です。昼間にまた寝たきりになりますと、どんどん症状も進んでしまいますし、また栄養失調になってしまいます。そのため昼間に遊びにいったときに自室で眠っていた場合は起こします。最初は眠いからと嫌がりますが、孫の私が来たというと大体起き上がって居間にくるため、定期的に行っていました。私以外にもひ孫が来たとなると起きますので、身内に協力してもらい、顔を出すようにお願いしました。さらにガーデニング作戦も行いました。

これは最近病院でも行っているようで、ガーデニングをすることで指や嗅覚視角など様々な刺激を受けるので、ガーデニングを行いました。季節感のあるお花を祖母の顔の高さにするように位置を工夫してカラフルで楽しくなるような庭にします。そして、プランターに祖母自身に種をまかせて、毎日お世話をさせました。すると、しばらくして自分から水撒きをするようになったのです。デイサービスにいっても、今日はこんなことをしたと回りに楽しそうに会話をするようになったのです。以前は怪我をしたショックで、孫である私にも話しかけなくなっていたのですが、ある日祖母がいる日に家に遊びにいくと、自分からたくさん会話をするようになり、全部出はありませんが、ほんの少しだけ新しいことを覚えられるようになりました。また、昼夜逆転した生活は、相変わらず起こさなければ昼間は寝たきりになることもありますが、定期的に起こしているので、ご飯もしっかりと食べれるようになりました。

しかし、相変わらず私に子供はどうしたのとか、おじさんには仕事は終わったのかいなど前からの質問内容は全く変わっていません。しかし、それをのぞきますと、私たちが遊びに来るとお茶を出したりお菓子を出してくれたり、自分も一緒になって食べてくれて会話を楽しむようになったり、以前にはなかった祖父との夫婦喧嘩も再び始まるようになり、コミュニケーションが上手くとれるようになり、祖父はとても喜びました。それからも定期的に行ってはドリルをさせたり手を使うことをさせたり、ガーデニングやデイサービスなどとにかく刺激を与えることをやりつづけており、五年たちますが更に楽しく会話が出来るようになっています。